@山口情報芸術センター(YCAM)
メディアテクノロジーと身体をめぐる新しい芸術表現を追求する複合文化施設。身体表現の場
であるシアター「スタジオA」アート作品を制作展示できるアートホール「スタジオB」コン
ピューターによる作品制作が可能なラボ「interlab/専任エンジニアが所属」の3つが融合さ
れた世界的にも稀な機能を有した施設。平成15年から8年経った山口情報芸術センター通称
YCAMについて数点のお尋ねを致します。
情報芸術センターの運営費や事業内容についても過去多くの同僚議員が質問をされておりま
す。しかし、一向に変わる気配もなく、ますますメディアアートに突出していることに違和感
を感じております。
平成22年度の山口芸術センター収支決算は大きく2つに大別されています。
1.施設維持管理費は1億7千3百万円
2.自主事業費は2億2千880万円となっています。
自主事業費の支出の内訳をみると、49.4%が人件費になっています。職種によりますが民
間企業では人件費は約30%以内が企業運営の為の安全基準と聞き及んでおりますが、なぜ山
口情報芸術センターは約半分が人件費なのか理由をお聞かせください。
インターラボについて
「interlab/専任エンジニアが所属」のインターラボの創作活動を市内外に紹介したいとの思
いをお持ちですが
※メディアアートを専門とした開発チームの組織体制や人員はどのようになっているのかお伺
い致します。
※国内外の専門家を招聘して専門家を目指す人たちの活動を支援されていると伺っていますが、
市民が先端技術に関わり、さらに学び発表する環境が必要と思いますがその取り組みと人材
育成についての方向性をお伺いいたします。
平成24年度の情報芸術センターの予算編成方針についてお伺いいたします。
本年の3月議会の概況説明では、山口情報芸術センターを芸術文化の創造発信拠点として、ま
た世界をリードするアート拠点として成長させるため、メディア芸術の創造発信機能にさらに
磨きをかけるとともに、特徴的な機能であるYCAMインターラボ、すなわち創作活動、そう
した取り組みを市内外に紹介いたして参りたい・・・。と言われ、来年度は本市の成長戦略の
一端を担うべく、文化施設という枠を超えて、他分野とも連携した幅広い取り組みを進めてい
く都市ブランドの構築に向けた新たな価値創造と位置付けた予算を提案されようとしておられ
ます。さらに、平成25年度のYCAM10周年の記念事業の準備も進められようとしていま
す。そこで数点お伺いいたします。
1.メディア芸術は本市の成長戦略になるのか。!
アーティスト主導、民設民営の参画、領域横断のスタイルを旨とし、東京と日本各地、また東京と東アジアのハブとなる
「21世紀型オルタナティブ・アートスペース」です。
|
昨年11月10日に東京のB105(アーツ千代田)でメディア芸術オープントーク第1回
『メディア芸術』ってよくわからないぞ」が開催されました。
内容は「メディア芸術」とは一体どのような分野なのか、そもそもこれは芸術と言ってい
いのか、といったそもそも論をみなさんと話てみたいと企画されたものです。東京でもまだ
理解できていない方がおられるということです。
メディア芸術は東京でも一部のマニアックな方々の芸術だと言われており、それをここ山口
で取り入れ、マニアックなメディア芸術を本市の成長戦略と位置付けようとされておられま
す。
その為に、市長は市民のメディアリテラシーの向上つまりメディア理解を向上させると言わ
れますが向上したのでしょうか?
世界的な最先端技術を用いた企画事業、アートとテクノロジーの融合による新しい芸術的価
値を創造し、アジアをリードするメディアアートの拠点としてまた、新しい芸術の創造を促
すプラットフォームとして成長することが本市のまちとしての価値を高める事に通じるもの
であるとお考え考えですが、具体的にどのような成長戦略になるのかお伺いいたします。
2.メディア芸術の活用が芸術文化の価値創造になりうるのか。!
「文化庁メディア芸術祭」は、メディア芸術の創造とその発展を図ることを目的として、平成
9年度(1997)から始まっています。現在ではアート、エンターテインメント、アニメー
ション、マンガの4部門で世界中から作品を募り芸術祭がおこなわれています。
2010 年2月には第3次の「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が閣議決定されました
が、その中でも、メディア芸術祭に関して、新人発掘、新人育成の場となるようにという提言
がなされております。このことはご周知のことと思います。
本市もこのメディア芸術祭にアート部門で平成17年度2つ、H20年と平成21年度に審査委
員会推薦作品に選ばれておられます。そこで不思議に思ったのが、なぜ個人個人で応募する文
化庁メディア芸術祭になぜ自治体が支援するのかということです。
先程の話に戻りますが、そもそもメディア芸術とはという討論の中で、音楽は「メディア芸
術」なのか否かという問いもあるようです。「YMO以降の音楽はすべてメディア芸術だと肯
定する方もおられたようですが、メディア芸術祭には音楽部門が無いし、メディアコンソーシ
アム事業にも音楽は含まれないようです。
今年2月に開催された芸術祭の後、メディア芸術祭の14年間を振り返ってという部門別セ
ッションが2月11日に東京ミッドタウンアカデミーで開催されました。その報告書の中から、
座長の最初の言葉を御紹介します。
〈文化庁メディア芸術祭〉のテーマ作品は、商品として現状ではストックにならずに短期間で
見られなくなってしまうことが多いが、しかしその時代を反映する優れた作品をしっかり記録
にとどめておこうということ。文化庁が行うということで、ビジネスとは関係なく作品本位の
評価ができることも含め、政府の顕彰事業でこそ可能なことをしていこうということ。と述べ
ておられます。まだまだ続きはありますがこれくらいにいたしますが、セッションでも、文化
庁でも世界からの評価は高いがまだまだメディア芸術そのものがまだ日本になじんでいないと
の思いをもっておられるのではないでしょうか。それをここ山口でメディア芸術の活用を価値
創造にしようとされている事について質問致します。
本市で滞在して制作された作品はどのような取り扱いになっているのでしょうか。世界に発
信され、再演されそしてそれはどのような形で残されているのでしょうか。
メディア芸術のセッションの中でも話されていますが、メディア芸術は作品を作り上げた時が
旬であると言われています。またこれは言いかえると時間が経つとそれは陳腐なものになって
いくということではないでしょうか。何百年後も世に残る芸術作品にはならないと思います。
メディアテクノロジーを追求しようとすれば、特にコンピューターの性能は短期間で進歩し、
高度な事をしようとすればする程新しい機械が必要になるし、当然寿命は短くなるのが道理だ
と思います。
平成22年度の自主事業費のうち収入の部ではチケット収入、助成金、雑収入等を合わせて
11.4%残りの88.6%が市からの補助金です。それだけの投資をし、何が残るのか?何が
残ったのだろうかと考えてみても心を広くもってみても答えは出てきません。
大内文化は今に残っています。大内氏は多くの芸術家のパトロンとして芸術文化をこの山口
にもたらしました。パトロンと言えば高杉晋作を支えた下関の豪商白石正一郎は貿易商を営ん
でおりましたが、高杉から夢を語られ、賛同した正一郎は自分の財をすべて投げ出し、奇兵隊
を支えたと言われています。とうとう破産してしまいますが、彼の夢は新しい日本をつくりた
かった、きっとそれで満足だったのでしょう。
高杉晋作とメディア芸術を比較することははばかられますが、山口市が白石正一郎の轍を踏む
のではないかと心配しております。
少し前置きが長くなりましたが、市の補助金をメディア芸術に特化しつつある運営に対しての
質問を致します。
メディア芸術が本当に芸術文化の価値創造なりうるのか分かりやすく理解できるよう説明を
お願い致しいます
3.メディア芸術が市民に受け入れられているのか?
山口芸術センターのメディア芸術を市民に理解していただくためにあの手この手で、世界か
ら注目をされているスペイン、韓国、アジアから、そして各種の受賞等やメディア芸術を生か
した海外戦略におけるコンソーシアム構想(いわゆる共同事業体)に芸術センターをその拠点
としてしっかりと位置付けると言われれば言われるほど市民はしらけているのです。お分かり
にならないのでしょうか。先程も申しましたがメディア芸術がそもそもが受け入れられないの
です。市民にはとうてい理解されているとは思えません。そのギャップを感じられていないの
か不思議でなりません。
先の答弁では平成21年度から平成25年度までの5年間のミッションや事業の方向性を明ら
かにするため平成21年3月に事業計画を策定し、その策定に当たっては市民のみなさまの参
画を得る事により、その意見を反映され、市民アンケートを実施する等市民の皆様の意識や要
望等を積極的に取り入れている。また、毎年の事業計画に関しては、公益財団法人山口文化振
興財団の評議員や理事会において、文化協会や各大学、商工・観光団体、国際交流団体といっ
た民間団体のみなさまから幅広い御意見を頂いているとの答弁がありました。確かに以前は会
議録が公表されていて会議の内容を知ることが出来ました。平成18年7月までは企画運営会
議が開催され公表されていました。今年度公益財団法人に移行してから会議録は無いそうで
す。
このような状態では、何がどのように決まって行くのか市民にはなおさら分かりません。
市民がどのように感じているのかを市長としてどう捉えられているかお伺いいたします。
4.10周年に向けた記念事業の準備が始まるようですが、
※坂本龍一氏に決まったいきさつは?
※坂本龍一氏の何に期待されるのか?
※2011年12月16日のメディアレクチャーの事業費。
◎メディアレクチャーの前売り券は11月19日からチケット販売が始まりましたが、
すでに前売り券は完売したようです。県外や外国からの問い合わせ状況が分かれば
お示しください。
※2013年11月に向けた10周年の記念事業費の見積もり額。
※2012年の関連事業費見積もり。
5.平成22年度に優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業で採択された採択年数5年で
4,554万円のYCAM・ダンス×メディアから始まるコミュニティ・プロジェクト
の事業内容をお伺いいたします。
|